陸上爆撃機「銀河」

Yokosuka P1Y "Frances"

銀河

零戦に匹敵する速度、 一式陸上攻撃機と同等の航続距離、1トンの搭載量、そして水平爆撃、雷撃に加え急降下爆撃をも 可能とする双発爆撃機─。
海軍が新型長距離高速爆撃機に求めた性能はこのように過酷なものだった。
この要求を受け航空技術廠(空技廠)が開発したのが陸上爆撃機「銀河」である。
海軍の無茶とも言える要求を達成するため開発は難航・長期化し、軍に採用されたのは昭和19年という既に日本の 敗色濃厚な戦争末期だった。

山名正夫技師を中心とする設計陣の奮闘甲斐あって、試行錯誤の末海軍の要求を概ね達成した銀河だったが、高性能の代償として その機体構造は複雑を極め、生産性や整備性はあまりよくなかった。更に「誉」エンジンの不調にも泣かされ、 量産機では予定通りの性能を割り込むことが多かった。そのためエンジンをより信頼性の高い三菱製「火星」に換装したタイプも 生産されている。

双発爆撃機として高性能を誇った銀河だったが、当時の日本の工業力では満足に製造することもできず、同時期に登場した 機体同様戦局に寄与することなく特攻機として、或いは桜花の発射母機として雲霞の如く迫る米・英軍の前に散っていった。

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空気抵抗を抑えるため切り詰められたスマートな胴体に大きな翼が優雅な機体です。 触れれば壊れてしまいそうな危ういバランスの上に成り立っているような印象を受けるのですが、 その辺りがいかにも日本の機体という感じがします。
ところで銀河の設計に携わった方の中には後に初代新幹線0系の開発を手がけた方もいて、銀河のデザインが0系のデザイン モチーフになったと証言されているそうです。

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Specifications(一一型)
用途 陸上爆撃機
発動機 「誉」一二型(離昇1,825馬力)2基
全長 15.00 m
全幅 20.00 m
全高 4.30 m
重量 7,265(乾燥重量)
13,500 kg(過荷重重量)
最大速度 546km/h(高度5,900m)
航続距離 1,920km〜5,370 km
武装 20mm旋回機銃2挺(機首・後部)
航空魚雷×1または500kg爆弾×2または800kg爆弾×1
乗員 3名(操縦員、偵察員、電信員)
派生機 極光(斜銃を装備した夜戦型)など
初飛行 1943年8月

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