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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
- 前向きで救いがあるヱヴァ
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ヱヴァ:破、観てきました!(※以下ややネタバレあり)
水曜のレイトショーということで席も余裕で取れるだろうと思っていましたが、予想に反して劇場キャパの半分ほどは入っており、いい位置はほぼ埋まっている状態でした。 なんとか中央に陣取れましたが、あと少し遅かったら隅っこで観る羽目になっているところでした。やれやれ。
内容はと言うと、とにかく色々凄まじかったです。 映像のクォリティが圧倒的に高いのは前作「序」と同様ですが、疾走するエヴァやそれに伴い吹き飛ぶ町並みの描写など、より動きで魅せてくれました。
エヴァの走行コースにそって次々とプレートが設置されるケレン味のある演出や、生理的嫌悪感を感じさせる使徒のデザイン、背景画像の美しさなど、ヴィジュアル面でよかった点を挙げればキリがありません。
ヴィジュアル的に素晴らしいことに加え、ストーリーの細かな変更が往年のエヴァファンにとっては驚きをもって受け入れられたのではないでしょうか。
話の大筋ではテレビシリーズをコアにしているものの、シンジやレイの台詞や心情変化に微妙な変更が加えられています。シンジはやや前向きになり、レイは人間味のある描写が増えていました。 そしてこの点こそがテレビシリーズとの最大の相違点だと言ってもよいのではないでしょうか。
テレビシリーズはとにかく内省的で鬱屈しており救いがなく、およそ一般受けするようなものではありませんでした。もっとも当時はそんな内容が斬新で、エヴァが大きく取り上げられるようになった理由のひとつだったとは思います。
一方で今回の新劇場版はシンジ、レイ共に他人との交流を望むような描写があり、テレビシリーズを観ていた者にとっては感慨深いものがありました。この二人がこういう台詞を言うようになったのか・・・みたいな。 食事会のエピソードはよかったなぁ・・・。ぽかぽか。
全体的に洗練され、エンターテインメント度合いが増したことは確かで、それにより一般受けする内容に仕上がっていると思います。しかし逆に言えば、テレビシリーズにあったような「毒」は薄まったともとれます。そういう毒が好みの人にとっては今回の新劇場版はやや物足りなく感じるのかもしれませんが、個人的に毒成分はテレビシリーズと旧劇場版でお腹いっぱいなので、今回の改変は歓迎すべきサプライズでした。
いや〜本当2年待った甲斐がありました。
次回「Q」も2年くらい後になるのかな。
長いけどいつまでも待ちますぜー。 - 関連ページ
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
update:2009/07/08