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殲10A(J-10A) 「猛龍」
J-10A "Vigorous Dragon"
殲10は、成都飛機工業公司(CAC:Chengdu Aircraft Corporation) がイスラエルからの技術協力をもとに 開発した、中国人民解放軍空軍(PLAAF:People’s Liberation Army Air Force) の戦闘攻撃機であり、既に旧式となったJ−7戦闘機やQ−5攻撃機に代わるべく配備が進められている。
殲10のベースとなる設計には、イスラエルで開発中だったがアメリカの圧力により
キャンセルされた
ラヴィ戦闘機のものが流用されてたと言われている。
胴体下面のインテイクに
無尾翼デルタとカナード翼の組み合わせ、2枚のベントラルフィンはまさしくラヴィのそれである。
もっともカナード+無尾翼デルタというのは、同時期に開発されたラファールや
ユーロファイター・タイフーン、グリペンも
採用しており、この時期のトレンドだったともいえる。
エンジンはロシアのSu−27等が搭載しているものを殲10向けに改修したAL−31FN
ターボファンエンジンが
一基搭載されている。これはアフターバーナー使用時の推力が12,500kgあり、ラヴィが搭載予定だった
PW1120よりも強力なものだ。
アビオニクスや火器管制装置には最新のものを用い、イスラエル、ロシアの技術を取り入れた
殲10の登場は、今まで旧式機が中心だった中国空軍の近代化を現すものとなるだろう。
また成都飛機工業公司は殲10の対地攻撃能力を増した超10なる機体の開発も進めているらしく、レーダーの換装や
ベクタードスラスト付きのより強力なエンジンの装備などが行われる模様だ。
* * * *
ラヴィ自体がF−16の発展改良型なので、同じF−16をベースに開発された日本の
F−2とラヴィの
発展型である殲10は遠い親戚の関係という見方もできるかと思います。そういえば三菱FSXの
初期案もカナードに無尾翼デルタというスタイルでした。どちらの機体もアメリカの圧力により
生まれたF−16シリーズの末子(なれの果て?)ということで、なんとなく因縁めいたものを感じます。
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- ■関連ページ:
- GoogleマップでJ-10を見る
Specifications | |
用途 | 戦闘攻撃機 |
エンジン | サチュルンAL-31FN ターボファンエンジン×1 推力:12,500kg |
全長 | 14.57 m |
全幅 | 8.78 m |
全高 | 4.78 m |
最大速度 | M1.85 |
実用上昇限度 | 18,000 m |
重量 | 9,750 kg(乾燥重量) 18,500kg(最大離陸重量) |
戦闘行動半径 | 1,850 km(空対空ミッション) 1110 km(対地ミッション) |
武装 | 23mm機関砲×1 11カ所のハードポイントに武装、燃料タンク等を4,500kg搭載可能。 |
乗員 | 1名 |
派生機 | J-10B:複座の高等練習機仕様 |