ひゅうが型護衛艦（１６ＤＤＨ）

Hyuga class helicopter destroyer

ひゅうが型護衛艦は海上自衛隊、はるな型護衛艦の後継として建造された新型 ヘリコプター搭載護衛艦である。
１番艦は平成１６年度の予算で建造されるヘリ搭載護衛艦（ＤＤＨ）なので、 １６ＤＤＨ（ひとろくディーディーエイチ）、２番艦は１８年度予算で建造されるため１８ＤＤＨ（ひとはちディーディーエイチ） とも呼ばれる。また排水量の計画値から、１３，５００トン型護衛艦とも呼称されていた。

ひゅうが型護衛艦の特徴は、ヘリコプターの発着艦作業を容易に行うために、護衛艦としては初めて 艦首から艦尾まで甲板が繋がった全通甲板を備えていることだ。
このため、これまでのはるな型護衛艦や しらね型護衛艦では不可能だったヘリコプターの同時発着作業が最大４機まで可能となり、ヘリ運用能力が 大きく向上している。また格納庫のスペースに余裕があるため、ヘリのメインローターを展開した状態での整備を、天候や 他のヘリの発着作業に妨げられることなく行えるとされている。

標準的な搭載機数はＳＨ−６０Ｋ哨戒ヘリ３機に加えて、必要に応じＭＣＨ−１０１掃海・輸送ヘリ１機となっているが、 格納庫はＳＨ−６０ならば８機程度を収容できるスペースがある。

全通甲板を備えていることから外見は軽空母のようにも見えるが、例えばハリアーや Ｆ−３５Ｂ などのＶＴＯＬ（Ｖｅｒｔｉｃａｌ　Ｔａｋｅ　Ｏｆｆ　ａｎｄ　Ｌａｎｄｉｎｇ；垂直離着陸）機を艦載機として考慮した場合、 艦載機の航続距離を延伸させるスキージャンプや、ジェット廃熱に耐えられるだけの甲板強度は備えていないため、効果的に運用を行うことはできない。

ひゅうが型護衛艦の主な任務は従来のはるな型およびしらね型護衛艦と同様に、 自艦に搭載する哨戒ヘリを駆使しての対潜水艦戦（ＡＳＷ：Ａｎｔｉ　Ｓｕｂｍａｒｉｎｅ　Ｗａｒｆａｒｅ）である。
それに加えて、強力な通信・指揮装置を装備を活かし護衛隊群旗艦や、スマトラ島沖地震のような大規模 災害発生時における司令部としての運用も想定されている。

射撃指揮装置には試験艦「あすか」に搭載されていたＦＣＳ−３の改良型であるＦＣＳ−３改（００式射撃指揮装置）を装備する。 これは射撃管制装置と対空レーダーを統合したもので、システムの一部は ひゅうがのアイランド４面に備えられたフェイズドアレイ・レーダーとＥＳＳＭ（Ｅｖｏｌｖｅｄ　Ｓｅａ　Ｓｐａｒｒｏｗ　Ｍｉｓｓｉｌｅ； 発展型シースパローミサイル）誘導用のイルミネーターとして視認することが できる。
また バウソナーには新型のＯＱＳ−ＸＸが搭載される。これも試験艦「あすか」に搭載されていたものの改良型で、従来のソナーよりも探知距離が長いとされる。

２００７年８月に進水し旧海軍 伊勢型戦艦２番艦 「日向」の名を与えられた１番艦「ひゅうが」は、２００９年３月１８日に海上自衛隊に引き渡され 横須賀の第一護衛隊群に配備された。
また２番艦１８ＤＤＨも建造が進められており、２００９年８月２０日に進水を果たした。１８ＤＤＨは 伊勢型戦艦１番艦「伊勢」の名を継承し、「いせ」と命名された。
「いせ」は２０１１年３月に竣工の予定となっている。

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Ｇｏｏｇｌｅマップに写った「ひゅうが」

ＩＨＩマリンユナイテッド横浜工場にて建造中の「ひゅうが」が見られます。

伊勢型戦艦

「ひゅうが」の先代、戦艦「日向」のページです。

１９，５００トン型護衛艦（２２ＤＤＨ）

海上自衛隊がひゅうが型に続き計画しているヘリコプター搭載護衛艦です。