平成19年度富士総合火力演習
Comprehensive Fire Power Exercise in Fuji 2007.8.26.SUN.
2007年8月26日、静岡県御殿場市東富士演習場で実施された総合火力演習に行って来ました。 総火演に行ったのは今回が初めてだったのですが、幸い天候にも恵まれたうえ、F−2支援戦闘機や 導入されたばかりの戦闘ヘリ、AH−64Dアパッチ・ロングボウなども見ることができ、大いに 堪能することができました。
そして何よりも生で聞く火砲の音と迫力!今まで映像では何度も見たことがありましたが、 実際に体感してみるとやはり全く違います。その音の大きさと衝撃波に度肝を抜かれました。
拙い写真ばかりですが、 初めて体験した総合火力演習だったので 備忘録も兼ねてまとめておきたいと思います。
チケット入手
最初陸上自衛隊のウェブサイトから応募を試みましたが、残念ながら落選してしまいました。 転売目的で応募する人も居るので競争率は割と高いみたいです。仕方がないので、後日ヤフオクで青少年対象券を入手しました。
出発
大阪から御殿場までは高速バスを利用しました。JRバスの 「東海道昼特急号」 で、大阪─東名御殿場往復券が8,400円です。 所要時間はだいたい7時間弱でした。
途中養老SAと浜名湖SAで15分程度の休憩が2度ありますが、なにぶん長時間 バスに揺られることになるので、首枕などがあれば重宝すると思います。
ちなみに浜名湖付近では
航空自衛隊の浜松基地が近くにあるため、稀に飛行中のE−767早期警戒管制機が
見られたりします。
以前なんの前触れもなく山の間からE−767が現れたときはびっくりしました^^;
シャトルバスで会場入り
前日は御殿場付近の宿に泊まりました。そこのご主人曰く、この日の宿泊客はほとんどが火力演習目当てとのことでした。
演習当日は御殿場駅からシャトルバスが運行されています。
案内葉書には運行は7時からとなっていましたが・・・
・・・私が御殿場駅バス停に着いた5時45分頃には既に人の列ができており、しばらくするとバスがやって来ました。 あれー?
今年しか知りませんが、毎年こんなに早いのでしょうか? 何れにせよ予想していたよりも早くに現地入りできたのでよかったです。
バス料金は片道550円でした。帰りは恐ろしく混んだので、往復券を購入されることをお奨めします。
演習場まではだいたい15分くらいかかったと思います。両サイドに森林しか見えない山道を ひたすら走りますが、急に視界が開け、広大な演習場が眼前に広がったときは興奮しました。 東富士演習場にバスが到着したのが6時少し過ぎ。バスを降りると戦車数両分の エンジンが轟音を響かせており、さらに興奮度が上がりました。うはー、たまりません(笑)。
本番前の最終予行練習
私が到着した6時過ぎの時点で、既にEスタンド席はほぼ満席状態でした。あわよくば上段の方に座れるかな、と 思っていましたが甘かったようです。しかし辛うじてスタンド最前列の席を確保することができました。
なんとか席も取れたし、やれやれこれでひと段落、と安堵したところに待ち受けていたのは、
「バカン!」
という凄まじい射撃音の洗礼でした。
反射的にビクッと体を震わせ、慌ててその音源を探したところ、朝焼けで
朱く染まった74式戦車が主砲を標的台に撃ち込んでいるではありませんか!
うおー、すげーっ! っていうか何でこんな早い時間から!?どうやら本番前の最終予行練習を行っていたようです。いやー、早起きした甲斐がありました!
それにしても、火砲の射撃音というものを 生まれて初めて耳にしましたが、想像以上に物凄い爆音で 驚きました。音源との距離は100メートルくらいあったと 思うのですが、発砲と同時に衝撃波が伝わって来たのも感じ取れ ました。
74式の105mm砲でこの威力だから、これの4倍以上の口径を持つ
戦艦大和の46cm砲などは・・・
もはや想像が及びません。
46cm砲が斉射したとき甲板に居た者の衣服が衝撃で引きちぎられたという話も物凄く信憑性があるように
思えてきました。
演習本番開始!
写真のとおり見渡す限り人・人・人です。
小池百合子防衛大臣も黒塗りの車に乗って現れましたが、 防衛事務次官人事問題で渦中の人だけあり(?)、 登場時に盛り上がっていたのが妙に可笑しかったです。
次の日に安倍改造内閣が発足し、高村防衛大臣が誕生したため、この総火演が小池氏の防相として最後の 仕事となってしまいました。
そしていよいよ演習本番が始まりました!
まずはスタンド右側後方から飛来した空自のF−2支援戦闘機2機が、2回に渡り爆弾投下デモを行いました。実際は
安全上の点から爆弾を投下さず、タイミングを合わせて着弾点で火薬を爆破させています。
2機のF−2は観客席正面で急上昇しましたが、ものすごいスピードで、あっという間に見えなくなってしまいました。
客席前に展開した支援火砲車両たち。
左から150mmりゅう弾砲FH−70、203mm自走りゅう弾砲、99式自走155mmりゅう弾砲が2両。
口径こそ戦車砲に比べ大きいですが、90式戦車や74式戦車と比較すると射撃音は幾分静かでした。
90式戦車1個小隊による行進間射撃。ただでさえ凄まじい射撃音のする戦車砲が4両分同時に放たれるので、その迫力には圧倒されます。
そして4両同時に信地旋回する統率された動きは、まるで戦車によるシンクロを観ているかのようでした。
遠くにアパッチ・ロングボウの機影が!
演習の最後を飾るのは2機のアパッチに先導された各種ヘリの進入です。 陸上自衛隊に導入されたAH−64Dは、メインローター軸上にお餅のような ロングボウ・ミリ波レーダーが搭載されているので、 遠目にも容易に識別ができます。
それにしてもヘリが大挙して押し寄せる様はまるで映画「地獄の黙示録」ですね。 脳内BGMに「ワァルキューレの騎行」が鳴り響いた方も多く居たのではないでしょうか。
観客席正面上空を左から右へとフライパスして行く攻撃ヘリ、AH−64Dアパッチ・ロングボウ。 これにて後段演習もすべてが終了しました。
おまけ
すべての演習が退場が終了し、参加車両が退場していきます。砲塔のキューポラから上半身を出した隊員が観客に向かって手を 振っておられました。
観客も隊員に手を振り返し、実に微笑ましい光景が暫し見られました。
と、そんな折退場して行く1両の90式戦車の砲塔上に立ち上がる隊員の姿が!?
彼はガッツポーズをしたり小島よしおの
「でもそんなの関係ねえ!」
をし始め、皆の喝采を浴びていました(写真参照。クリックで拡大!)。
あんな事をしてお咎めされないだろうか、といらぬ心配をしましたが、見ているこちらとしては
笑わせていただきましたw
最後にもうひとつ。帰りの御殿場行きのシャトルバスが恐ろしく混み、炎天下の中列に並ぶ方々の雰囲気も殺伐となりかかっていました。
しかしそんなとき誘導をしていた隊員の方が軽妙なしゃべりで雰囲気を和ませていたのがとても有難かったです。
ただその隊員がシャトルバスへと連なる行列を指して、
「年に二度開かれる某イベントの某ブース前の行列のように云々・・・」
と、言っていたのには吹きましたがwちょwコミケwww
何れにせよスタンドの設営などこの日までの準備も含め、朝から誘導に当っていた隊員の方々、ほんとうにお疲れ様でした!
今回初めての総合火力演習でしたが、統率のとれた動きや、火砲の迫力に感動しました。また次回機会があれば参加したいと
思います。