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Kenny Garrett

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Songbook

- ソングブック -

Songbook
ワンホーンカルテットの傑作!

ジャズと言えば何やら小難しそうなイメージがあってとっつきにくいと 思われる人も多いみたいですけど、そんな人にこそ聴いてほしいアルバムです。
下手な理屈は置いておいて、何も考えずとりあえず聴いてみれば、このカッコ良さに 説明は不要だということが分かると思います!
といいつつ思い入れが強い アルバムですのでぐだぐだ書きますけどご勘弁を^^;

01.Two Down & One Across

オープニングを飾るこの曲はテンポルバートで始まりますが、 メンバー全員で一斉に音を出す様がまるで出帆の合図を 表す銅鑼のようにも聞こえます。
程なくしてドラムのジェフワッツが リズムを刻み始めそこへケニーカークランドの弾くピアノとナットリーブスが弾く ウォーキングベースが同時に加わり曲が動き出す瞬間がたまりません!ギャレット のソロも調性が破綻するギリギリの所を縫うようなスリリングなアウトフレーズが イイ感じです。

02.November 15

どこか都会的な薫りを感じさせるようなクールなリリシズムが 溢れるミドルテンポの4ビートの曲です。
私はこの曲を聴いてSONGBOOKのジャケットのようなセピア色 の町並みが思い浮かびました。歌詞によってイメージが制約を 受けない分自由に想像を広げる事が出来るのもジャズならではの 楽しみ方だと思います。
しかしほんといい雰囲気を持った曲で、最初の1音を聴いただけで 何故かせつなくなってしまいます。くぅ〜っ、たまらん(;´Д`)

03.Wooden Steps

このカルテットの持つ爆発力が文字通り炸裂している曲です。
テーマはラテンのマイナーブルースですが、リズムが4ビートに 切り替わってからの加速感が本当に凄まじいです。
これでもかと煽りまくるジェフワッツ、ブチ切れたソロをバリバリ吹きまくるケニーギャレット、 そしてケニーカークランドがこれまた激しく弾きまくります。
初めてこの曲を聴いたときは思わず
「やりすぎやろーっ」
と一人ツッコミを入れたのを思い出します(危ねぇ)。
だんだんとテンポが速くなって行き、曲の最初と最後ではえらい違いになっているのはご愛敬。 車の運転中に聴けば思わずスピードを出し過ぎてしまうこと請け合いです。

04.Sing a Song of Song

超 名 曲!!
前曲のWooden Stepsから一転して穏やかな感じで始まるこの曲は、思わず口ずさんでしまうような シンプルで美しいメロディーが印象的です。そのメロディーを淡々と奏でるギャレットの サックスが自然と心に沁み入ります。E→C→D→Eという素朴なコード進行に乗せてギャレット のサックスも熱を帯びて行き、曲の持つ音世界に引き込まれるような感覚がします。
そしてエンディングがまた凄い!まるで何かに取り憑かれたかのようにギャレットのサックスが 絶叫します。まさに野獣。私はこれを聴いて鳥肌がたちました。

05.Brother Hubbard

ナットリーブスのベースラインが特徴的なファンキーな曲です。
ファンキーと言っても使われているコードにテンションが多用されているため 泥臭さというよりも洗練された感じがします。 タイトルのHubbardは恐らくトランペット奏者のフレディー・ハバードのことでしょう。
ギャレットはリズミックな繰り返しフレーズやファズトーンを多用して曲を盛り上げて います。カッコイイ!

06.Ms.Baja

きれいなメロディーを持つボサノバの曲。
ここでのギャレットのソロは本当によく歌っていて、書き譜なのではないかと疑ってしまうほどです (実際そうなのかもしれません)。 ケニーカークランドのピアノもバッキング、ソロ共にいい感じです。このケニーカークランドは スティングのバックを務めていたことでも知られており、『ブルータートルの夢』や『Bring on the Night』 などで名演を残していますが数年前惜しくも他界されています。

07.House That Nat Built

ケニーギャレットのファンク魂を垣間見ることが出来る曲です。
ジェフワッツが生み出す後ろノリの重たいリズムに乗せてギャレットが これでもかというぐらい盛り上げます。う〜ん、いいですねぇ!
ところでタイトルのNatというのはベースのナット・リーブスのこと でしょうか?
ナットが建てた家・・・新築でもしたのでしょうか。

08.She Waits for the New Sun

なんとも哀愁漂う美しいバラードです。
後半静かに盛り上がって行く様を聴くと熱くならずには いられません。このような遅いテンポの曲においてもギャレットのサックスは 抜群の表現力を発揮することがわかります。

09.Before It's Time to Say Goodbye

邦題『さよならを言う前に』
一つ前の曲She Waits for the New Sunよりさらにスローなテンポで これ以上ないだろうというぐらいせつない気分にさせてくれるバラードです。
ギャレットのサックスはテーマを淡々と奏でるのみで黙して語らずといった ところですが、饒舌な時以上に何かを語りかけているように感じられます。

10.Sounds of the Flying Pygmies

アルバムの最後を締めるのは軽快な4ビートの曲。
ギャレットのソロはさらりと流したようにも聞こえます が、ペンタトニックやアウトフレーズを織り交ぜた ギャレット節のオンパレードで思わずニヤリとして しまいます。
ジェフワッツのドラムも快調で、こういう4ビート を叩かせると彼の右に出るプレイヤーはそうそういない のではないかとさえ思ってしまいます。
特筆すべきはこれらの曲はすべてケニーギャレットのオリジナルだということで、 このSongbookは彼の演奏技術はもちろんのことコンポーザーとしての才能も いかんなく発揮されたアルバムと言えることができます。曲調も4ビートに ラテン、ボサノバ、ファンク、バラードと様々で 普段ジャズを聴かない方にも一音楽家の作品としてお薦めできる一枚です。
■Songlist
01.Two Down & One Across
02.November 15
03.Wooden Steps
04.Sing a Song of Song
05.Brother Hubbard
06.Ms.Baja
07.House That Nat Built
08.She Waits for the New Sun
09.Before It's Time to Say Goodbye
10.Sounds of the Flying Pygmies
■Personel
Kenny Garrett(as)
Kenny Kirkland(pf)
Nat Reeves(ba)
Jeff"TAIN"Watts(ds)