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Sketches of MD

- スケッチズ・オブ・MD -

マイルスイズムの伝承・進化

ケニー・ギャレット2年ぶりの新作はなんとライブアルバム!
そして前作に引き続きテナーサックスのファラオ・サンダースが参戦!
ニューヨークのジャズクラブ、「イリジウム」でのライブ模様が収録されています。

今回のライブアルバムはマックアヴェニュー という独立レーベルからのリリースになっていますが、メジャーレーベルだと自分たちのやりたいことを 自由に出来ないからというのがこのレーベルを選んだ理由とのことです。

01.Ring

ケニー・ギャレットとファラオ・サンダースとの2管 にピアノのブロックコードを加えたアレンジが重量感を感じさせる曲です。 前作Beyond the Wallにも 通じる雰囲気を持っています。

随所に出てくるケニー独特のアウトフレーズがカッコイイです。
またオーバートーンを利用して音色に変化を持たせる場面も何度か出てきます。

02.Intro to Africa

どっしりとしたシャッフルビートをバックにケニーがソウルフルに 歌い上げています。こういう曲調ではケニーのサックスがよく映えますね。 スピリチュアルで熱い演奏になっています。

03.Sketches of MD

アルバムのタイトルにもなっている曲です。
ケニーは曲の前半バスクラリネット?にエフェクターを利かせて演奏しており、 茫漠で混沌とした雰囲気を醸し出していますが、そこに Bitches Brew 以降の後期マイルスの世界を垣間見ることができます。
曲の後半、ケニーがアルトサックスに持ち替えてからは前半の混沌に比べ やや秩序だった演奏になっており、カオスからコスモスへの変遷が見て取れなかなか面白いです。

04.Wayne's Thang

ライブでもお馴染み、ノリノリのファンクナンバーです。
公式な録音としては トリオロジー カジノライツ'99に続いて3度目の登場になります。
今回のテイクはライブ録音ですが比較的力の抜けた演奏になっているように聴こえます。 この曲でもサックスにエフェクターをかましてギターのワウペダルのような音色で演奏して いますが、このあたりは好き嫌いが分かれそうです。

ケニーのアルトソロに続いてファラオサンダースがソロを取っています。
吼えるテナーがカッコイイです。

05.Happy People

これまたライブでの定番曲です。
Happy People に収録されているバージョンよりもかなりアップテンポの、いかにもライブらしい 演奏になっています。
お約束のクド過ぎる(笑)エンディングも収録! 先日のビルボードライブで繰り広げられたアンコールの光景が思い出されます。
■タイトルにマイルスへの大きなこだわりが見て取れるアルバムです。 エフェクターやシンセサイザーなど、エレクトリックなサウンドの導入が 今までのアルバムにはなかった傾向として挙げられますが、これは かつてマイルスが辿った道でもあります。
ケニーもマイルスと同様自分の音楽をどう進化・発展させて行こうかと 試行錯誤を重ねており、この「Sketches Of MD」が過渡期に あたる作品になるのかもしれません。
Personel
  • Kenny Garrett(as,bass clarinet,organ,synthesizer)
  • Pharoah Sanders(ts,vo)
  • Benito Gonzales(pf,fender rhodes,synthesizer)
  • Nat Reeves(ba)
  • Jamire Williams(drs)


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