K.G.Maniax!!
The Cutting Edge of Jazz Saxophone
Standard of Language |
- スタンダードオブランゲージ - |
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この疾走感、熱気。
驚天動地のハイテンションアルバム!
これこそケニー・ギャレットと言いたくなるような
激しい演奏が聴ける、ある意味最もケニー・ギャレットらしさを
体現したアルバム。ハイテンションという意味では「Pursuance」
もそうでしたが、本作「Standard of Language」はコルトレーントリビュート
という制約に縛られていないためか、より肩の力の抜けた自由奔放な演奏に
なってます。というかどなたもこなたもほんと好き放題に吹きまくり、
弾きまくり、叩きまくっています。いや〜実にバカです!(最大級の賛辞)。
そしてそのバカさ加減がとても小気味いい!とにかく小細工一切なしの真っ向勝負
なアルバム。私にとっては「Songbook」以来の衝撃を与えてくれたアルバムでした。
お薦め!!
驚天動地のハイテンションアルバム!
01.What Is This Thing Called Love?
このアルバムの凄まじさを表すかのような激しい演奏です。そしてこのアルバム唯一のスタンダードナンバー。と言っても原曲の面影はほとんど残っていません(笑)。この曲は「Triology」にも収録されていましたが、こっちのバージョンの方が数段ブチ切れています。とにかくここまでやるかと目が点になるくらい凄まじくテンションの高い演奏で、このアルバムをよく表しています。
02.Kurita Sensei
ケニー・ギャレットが来日中に日本語を習っていた日本語学校の先生に書いた曲。4度インターバルを多用したトリッキーなテーマはエディ・ハリスのFreedom Jazzdanceを彷彿させます。ここでのケニーはソプラノサックスを用いていますが、楽器は変われどハイテンションはそのまま。6/4のリズムに乗せてどんどんビルドアップしていくケニーのソロが楽しめます。
03.XYZ
この曲も凄い!というかめちゃめちゃカッコイイ(*´Д`*) ケニーお得意のペンタトニックを基調としつつアウトフレーズを織り交ぜたソロに、ここぞというところで飛び出すオルタネートフィンガリングにフラジオトーン。いや〜たまりません!ケニーを盛り立てるバックの3人も熱い!全員が火の玉となって大気圏に突入してもまだ燃え尽きずピンピンしているといった感じです(なんだそりゃ)。
ところでXYZって・・・冴羽リョウ!?(;・∀・) ケニー・ギャレットがシティーハンターを知っているのかどうかは定かではないですが、この曲名からはいやがおうにも新宿のスイーパーを連想してしまいます (案外それを意識したネーミングだったりして)。
04.Native Tongue
「母国語」というタイトルが付いたラテンのリズムが心地よいしっとり聴かせるきれいな曲です。前3曲が激しい曲だったのでとても癒される感じがします^^;日本贔屓のケニーもそのルーツは故郷デトロイトにあるのでしょう。自国を離れて暮らす人には特に感慨深く感じる曲なのかもしれません。
05.Chief Blackwater
ピアニスト、マッコイ・タイナーにインスパイアされて書いたという高速4ビートの曲です。最近のライブでは定番になっているようで、2005年の来日時も一曲目に演奏していました。確かにライブのオープニングに相応しい軽快な曲です。この曲も3曲目XYZのような疾走感溢れる演奏になっています。
06.Doc Tone's Short Speech
既に故人となったピアニスト、ケニー・カークランドのニックネーム"Doc Tone"にちなんだ曲です。ケニー・カークランドはSongbookに参加したり、レギュラーカルテットを組んでいたりと、ケニー・ギャレットとも親交が深かったピアニストです。この曲はケニー・カークランドへ捧げたレクイエムなのかもしれません。ピアノとベースがユニゾンするラインが印象的です。ケニーはソプラノサックスを演奏しています。
07.Just A Second To Catch My Breath
このアルバム中唯一のバラードです。ケニー・ギャレットはアバンギャルドな演奏だけかといとそうではなく、顔に似合わず(失礼!)このような美しい曲もさりげなく書けてしまうところが面白いです。それになんとも素敵なタイトルです^_^
08.Gendai
これはやっぱり「現代」でしょうか。漢字で書くとヒュンダイと読んでしまいそう・・・(笑)まぁそれはともかくこれもスピード感のあるとてもカッコイイ曲です。特にソロ中B/E♭ → B♭/D → A/D♭というコード進行がコルトレーンの Spiralみたいでいい感じです。
09.Standard Of Language I II III.
アルバムタイトルにもなっている3部構成の曲です。この曲だけChris Daveに代わりEric Harlandがドラムを叩いています。I部:急、II部:緩、 III部:急という曲調になっていますが、III部は恐らくアルバム中最も速いテンポで演奏されています。というかこれはもはや
人間が演奏できる限界速度に近いのではないでしょうか。えらいことになってます(笑)。
■このアルバムと対極に位置するのが前々作のSimply Saidではないでしょうか。
Simply Said
はカルテットというフォーマットででき得る限りの様々なバリエーションの曲
が収録されていましたが、Standard of Languageでは数曲箸休め的な曲があるものの、
ハードな演奏に終止しています。聴く人によってはやや一本調子と感じるかもしれませんが
何しろ一気に聴けてしまうので、大抵はそれに気づく前にCDが終わっているHit and Awayなアルバムです。
Songbook
と並び間違いなくケニー・ギャレットの代表作と言える作品だと思います。
■Songlist 01.What Is This Thing Called Love? 02.Kurita Sensei 03.XYZ 04.Native Tongue 05.Chief Blackwater 06.Doc Tone's Short Speech 07.Just A Second To Catch My Breath 08.Gendai 09.Standard Of Language I II III. |
■Personel Kenny Garrett(as,ss) Vernell Brown(pf) Charnett Moffett(ba) Chris Dave,Eric Harland(ds) |