主力戦艦比較
Battleship Comparison
- 戦艦 / Battleship
- それはかつて国家の力を象徴する存在としてあらゆる兵器体系の頂点に君臨した最大最強の軍艦。
分厚い装甲を身にまとい強力な大口径砲を何門も搭載したまさに洋上に浮かべる鉄(くろがね)の城 - それが戦艦と呼ばれる存在だった。
・・・とまあそんな戦艦たちに対してノスタルジックな魅力を感じる方も多いかと思いますが、 このページでは一戦艦ファンとして各国の戦艦たち、特に大艦巨砲主義の究極とも言える無 条約型戦艦を中心にミーハー的視点で眺めていこうと思います。
大和型戦艦
「戦艦と言えば?」との質問に対して恐らく最も多くの日本人が最初に連想するであろう最大公約数的戦艦。
世界最大の46cm砲を9門搭載した最強の戦艦として誕生したにもかかわらず、大艦巨砲から航空機へという時代の
変化に呑まれ、その真価を発揮することなく
海中に没した事は多くの人の知るところとなっています。
そんな日本人に馴染みの深い戦艦大和ですが、
前級の長門型戦艦
から約20年の歳月が経っているだけあってそれまでの日本戦艦と比べるとかなり洗練されており、異質な姿にも見えます。
いわゆる「大和坂」と呼ばれる前甲板のラインや、比較的コンパクトにまとまった前檣楼、巨大な集合煙突、そして9門の46cm砲。
それらがバランスよく有機的に結合した様からは、ある種の造形美すら感じられます。
アイオワ級戦艦
アメリカが建造した最大にして最後の戦艦。
パナマ運河を航行可能にするための
巡洋艦のような細長い船体と、33ノットの速度が特徴です。
3番艦「ミズーリ」は太平洋戦争の降伏調印式が行われたことでも知られています。
アイオワ級は湾岸戦争にも参加し、イラク地上軍に対する艦砲射撃やトマホークミサイルによる拠点攻撃も
行いました。
現在アイオワ級戦艦は建造された4隻すべてが
記念館もしくはモスボール状態で現存しています。
サウスダコタ級戦艦
ノースカロライナ級戦艦に続きアメリカが建造した無条約型戦艦第2弾。4隻が建造されました。
ノースカロライナ級の欠点だった防御力を改良し対16インチ砲防御が施されています。
第三次ソロモン海戦では1番艦「サウスダコタ」が戦艦「霧島」、
重巡「高雄」「愛宕」らと
戦闘を行い中破するも、その堅牢な防御力のおかげで沈没は免れました。
現在「アラバマ」と「マサチューセッツ」の2隻が記念艦として保存されています。
キングジョージX世級戦艦
4連装砲塔と連装砲塔を組み合わせた配置が特徴的なイギリスの戦艦。
5隻という建造数は無条約型戦艦の中では最大です。
2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」はマレー沖海戦にて
一式陸上攻撃機と九六式陸上攻撃機の雷爆撃により撃沈されました。
スペック的にはあまりパッとしない戦艦かもしれませんが、必要な時に必要な数を揃えられ、きっちり仕事をこなしたという点では 成功した戦艦と言えるのではないでしょうか。
ビスマルク級戦艦
ドイツが建造した最後の超ド級戦艦で、「ビスマルク」と「ティルピッツ」の2隻が建造されました。
設計期間短縮のため前級であるバイエルン級戦艦の設計が一部流用されています。
「ビスマルク」ライン演習作戦にてイギリス艦隊と遭遇し巡洋戦艦「フッド」を轟沈させ戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」のを司令塔を
破壊しましたが、その後の追撃戦でイギリス艦隊に包囲され沈没しました。
2番艦「ティルピッツ」は長らくフィヨルドに身を潜めていましたが、最終的に
イギリスのランカスター爆撃機が投下した12,000ポンド爆弾「トールボーイ」により破壊されました。
圧倒的に戦力差のある相手に袋叩きにされて沈んだ点は戦艦「大和」や「武蔵」と同様ですが、水上艦隊と壮絶な戦闘の末の
沈没ですから、まだ「ビスマルク」は戦艦として幸運な最期だったのではないでしょうか。
力強さと端正さのバランスが取れたなかなか綺麗なルックスだと思います。
リットリオ級戦艦(ヴィットリオ・ヴェネト級)
3隻が建造されたイタリア海軍の超ド級戦艦です。
本級が搭載する50口径15インチ砲は秒速850m〜870mという
高初速で砲弾を打ち出すため、短い砲身寿命と引き換えに16インチ砲に匹敵する威力と、大和型の18インチ砲や
アイオワ級の16インチ砲MK7を上回る世界最大の射程距離を誇っていました。
4番艦「ローマ」は連合軍に降伏した後、ドイツ軍の誘導爆弾「フリッツX」により撃沈されたことでも知られています。
リシュリュー級戦艦
4連装砲塔2基を前甲板に集中配置したレイアウトが特徴的なフランス最強の戦艦。 煙突と後檣を一体化したMACKも造形的に目を惹きます。
Battleship Comparison | |||||||
国 名 |
日 | 米 | 米 | 英 | 独 | 伊 | 仏 |
艦 名 |
大和 | アイオワ | Sダコタ | KGX | ビスマルク | リットリオ | リシュリュー |
竣 工 年 | 1941 | 1943 | 1942 | 1940 | 1940 | 1940 | 1940 |
排 水 量 | 64,000 | 45,000 | 35,000 | 36,727 | 41,700 | 41,177 | 35,000 |
速 力 | 27 | 33 | 28 | 28 | 30 | 30 | 30 |
主 砲 | 18×9 | 16×9 | 16×9 | 14×10 | 15×8 | 15×9 | 15×8 |
舷 側 装 甲 | 410 | 307 | 307 | 381 | 320 | 280 | 330 |
竣 工 数 | 2 | 4 | 4 | 5 | 2 | 3 | 2 |
排水量は基準排水量 主砲はインチ×門数 装甲厚は最大値 |